推しの結婚
思えば彼との出会いは私が中学二年生の時まで遡る。
つまり10年以上前である。
私の青春を全て彼ーシム・チャンミンという異国の青年に捧げたと言っても過言ではない。初めて見たのは、というか友達にごり押しされたのはShare The WorldのMVだった。全く興味がなかったのを覚えている。
しかし、度重なる友達からのダイレクトマーケティングを受け気づいたらゴリゴリのオタクになっていた。
3人の脱退騒ぎの時はなぜ彼が理不尽な屈辱を受けなければいけないのかと涙ながらに憤りを訴えた。
2人になってからの代々木体育館での初めてのSM TOWNで鐘の音と共に現れた彼を見て号泣した。
兵役前ラストコンサートで涙を流すユノヒョンの肩を抱く彼に心打たれた。
思い返してみれば、普段感情の起伏に乏しい私が喜怒哀楽をここまで表現したのは彼に関わることが大半を占めていたような気さえしてくる。
もちろん、大学受験を控える冬も彼のことが大好きだった。無事に第一志望に落ちた私に父が言った「東方神起と出会わなければ、もっといい大学入れたのにな」という言葉は一生忘れないであろう。大学に落ちたのは私の力不足であり、東方神起に出会ったのは運命だからしょうがない。
そんなこんなで、本国のコンサートに行かないまでも国内のライブには絶対に参戦していた私も気づけば今年で社会人2年目となっていた。職場の環境や転職への悩みなど私生活順風満帆とは言えない状況での一報。
チャンミンの婚約発表。
勤務中にYahooニュースを開き一瞬息ができなくなった。
彼女がいるのも知っていた。犬を飼い始めたのも知っていた。その愛犬は誰が世話してるのかな?という疑問もあったが見て見ぬふりをし続けていた。
でも、結婚なんてまだまだ先のことだと思っていた。
私はファン歴はそれなりに長いものの、割と初期から所謂ガチ恋オタクではなかったのでこの瞬間まで推しの結婚に嘆くオタクの心理が理解できなかった。
でも、今ならわかる。
なんだこれ、、、、、、、死ぬほど苦しい、、、、、形容しがたい感情とはこのことか、、、、
涙が止まらないのに、一体どの感情に起因している涙か分からないまま泣き続けピザを2枚も食べてしまった。
そして、絶対にこの謎の感情を言語化してやろうと心に決めた。
たぶん、こんなに他人の結婚報告に感情を揺さぶられるのはこれが最初で最後だと思う。
他グルのファンや一般の人々からしてみれば、ものすごく高評価の結婚までの形なんだろうと思う。日本語で懇切丁寧にお手紙まで書いてくれてたしね、、、、まだ読めてないけど。
結婚三か月前に周囲に報告するのは社会人の鏡だね。
過去にもスプーン反射事件以外大きなスキャンダルも全くなく、常にファンとユノヒョンのことを考えてきてくれた私のスーパーアイドル。そんな彼が結婚を決めたのである。祝福したいと頭では思っているが、心が未だについてきてくれない。
でも、それでいいのかなと今は思う。
今となっては、私の理想にピッタリ当てはまるのがチャンミンなのか
チャンミンという人間に出会い理想が形成されたのか定かではない。
(こんなに顔面がよくてスタイルもよくて頭もいい人間が存在していいの?と普通にに思う)
衝撃の発表があった当日は、もう推しなんてつくらない!!!なんて女々しいことを言っていたが、1週間経ち冷静になった今ではこんな複雑な感情を教えてくれてありがとうとすら思う。なんだか、人間的に成長できた気さえする。ただの気のせい
まだ、おめでとうと言えるまでは吹っ切れていないのでこの言葉で締めたい。
どうしてシムを好きになってしまったんだろう
君が僕の側離れていっても 永遠に君が幸せであることをただ願っている